
あらすじ
自堕落な生活を送る引きこもりニートの美鳥。
ある日美鳥とその親友ひろ子は、15分だけ時間を遡りやり直す能力を身に付けてしまう。自分の思い通りにやり直せる生活に、自堕落な生活から抜け出す美鳥とひろ子だったが――。
感想とか
SF(少し不思議系)映画。もう少し細かく分類するとタイムループものだったりします。ループ能力を持った事で自堕落な生活から脱却するも、その能力のために人生の選択を安易にしてしまう主人公。それを繰り返すうちにループ(やり直し)という行為が、自分をダメにしていると気付いて、自分から能力を捨てようとするが……という話。普通にループものにありがちな題材もありつつ、望みがあるなら1歩を踏み出さないと何も起こらないとか、情けは他人(ひと)のためならずといった人生の作用・反作用的な事を同時に描いています。
全編緩い感じで描かれています。一応終盤にはそれなりにヤマとなるパートがあるのですが、そんなに盛り上がる訳でもなく他パートよりちょっとくらい盛り上がるくらいになっています。話の内容からこの緩い感じでの構成が正解だとは思いますが、ある程度メリハリがある話が好きな人にはちょっと退屈に感じるかもしれません。
低予算のせいか出て来るキャラ数も少なく、場所も主人公の生活圏内(ちょっと+)という少なさになっっていて予算に合わせた作りになっています。私的にはこういう無駄に無謀な作りにしない所は好感が持てます。ただメジャー映画しか見ない人とかには、チャチく見えてそこが観賞のネックになるかもしれません。
話のほうは前述のように緩い内容ですが、作り自体はちゃんとしていて前フリもあり、それの回収もちゃんとしつつ、オチもしっかりオトして終わっているし、各キャラもちゃんと描かれていて、メイン所どころかちょっとした出番の役も印象に残る作りになっています。この辺はかなり高得点をあげてもいいかと。
という事で、メジャー系映画と比べるとチープさは否めませんが、話の作りなどはちゃんとしてるので、タイムループものとかSF好きな人ならといった映画かと思います。

映画冒頭は、妙な作りの宇宙から始まります。
初見時は「何これ?」ですが、最後まで観ると「そういう事」という仕様になっています。

主人公 美鳥。
引き籠り無職ニートですが、本人曰く「1日1回、散歩に出るので引き籠りではない」との事。物語世界上ではすごい美人という事に。
映画冒頭より。設定の説明的描写とかまだ無くても、「さてはオメェ無職ニートだな」という雰囲気をバンバン醸し出しています。

美鳥の望遠鏡。
自宅ベランダから外を見たり、インチキ女子高生の顔面を殴ったり、色んな用途に使える便利グッズ。

美鳥の親友 ひろ子。
元バンドのヴォーカルで、夢はヴォーカリスト。
リアルなルックスと演技で、「いるいる、こんなヤツ」というどこにでもいそう感を放って全く違和感のないキャラを演じています。
しかも随所にいい味を出してくれているので、私的な本年度助演女優賞のtopに躍り出てきました。

美鳥・ひろ子の思い人の栗山。
職業は美人局 人材派遣業。
ひろ子を振って、美鳥と付き合ってもいいかなと思うも、とある事情で美鳥も振る。そして、知らずにひろ子の妹と付き合うという、どう転んでも修羅場という人。
実はコイツも……。

美鳥の両親。
美鳥がループの能力でギャンブルをした反作用で死亡。(即行ループで戻って事なきを得ますが)ループ能力で元の時間軸に大きな作用を起こすと、反作用も大きくなるという縛り設定があったりします。

美鳥のばあちゃん。
どう見てもばあちゃんというより、ゾンビにしか見えません。
美鳥の合コンに付いていって、チャラ男をゲットするという強者。

タイムループ能力の元になっている「善意の石」
「石」と「意思」をかけているだけではなく、使用者の意思次第で石の能力がアップする設定に。

「善意のいし」を売っているおじさん。
タイムループの輪から抜けられなくなった人。
誰かが石(意思)の力で、タイムループの輪から救ってくれる事を願って石を売っている。
しかし、その行為や時間軸も……、

終盤の主要キャラ ランニングシーン。
インチキ女子高生の人の走り方が、他の人と速度を合わせるせいか妙な走りに。(単に目立ちたいだけかもしれんけど)

最後に残った石の欠片。美鳥の思いは……。
表向き台詞で言ってる事ではなく、本心を石が実行して終わりというか続く――。
キレイに終わるなら終わった方が正解なんだろうけど、今までの話を踏まえるなら続くのが前フリが成立しなくなるので正解かと。
